なりたい大人になったのか

小学生の夢の話ではない。19,20の社会人手前の現実的な「なりたい大人」の話ね。

会社に入ってやりたくない仕事を毎日何十年も続けるんだろうか、上司に理不尽な命令をされるのか、客に無謀な要求をつきつけられ続けるのか、毎朝7時に起きるのか、週に1日しか休みがないのか…とか。

そしてそれらをすべて甘んじて受け入れ、自分を殺して生きていく。家族を持って小さな幸せと大きなプレッシャーを抱え、一軒家を死ぬまでのローンを組んで過ごすんだろうか…。

大人になって社会に出るのはいやだなぁ、でもアウトロー人生をみすみす歩むようなキャラでもないし…なんて感じでね。

で、実際会社に入ったところで、想像通り居場所もなく、やる気もなく、仕事もつまらない、人生なんてつまらないってことを実感した。

ね、大人になるってこういうことだよ。世の中の大人ってバカばっかりだ、こんな人生をよく何十年も過ごして、ときどき安っぽい幸せを感じつつどうでもよいありきたりな時間を延々と過ごすんだね。

あれから30年…

上司はいない、お客さんは理解がある、早起きはしない、妻も息子も自分以上に愛せる、ときどき歌う…

何がどうなってこうなったかは知らんが、案外これがなりたかった大人なんじゃないかって思える。

が、しかしやっぱり生きてることの素晴らしさだとか、幸福感だとかはまったくわからないけどね。